ブリブリのさらなる人生

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クラシック音楽通への音楽解説 6 指揮者について(3)

指揮者の知識って?

最初に話したかも知れないが、まずは音符とか書かれてる記号とか、そういうの読めて当たり前なので、当たり前な話は割愛する。

たとえば、合唱の指揮をする場合、各声部の音域は知っておかねばならない。
楽器も、よく響く音域というものがあって、あまり高い音程、低い音程は、響きが悪かったりする。

合唱の場合は、歌詞も関連してくるので、その歌としての部分も成立させないとならない。
この成立って意味は、けっこう深いのでまた今度。

当然伴奏についても、それがたとえピアノ1台だったとしても、きちんと合唱を合わせて考えていかないとならないし、伴奏本体の音楽性にも考慮していかないとならない。

そのために、オーケストラの伴奏になると、それはそれで、伴奏だけ他の指揮者にわたして行くといった作業が必要となって来る。

合唱はその歌詞にも注意を行わないとならない。
たとえば、日本語の場合は、ハ行は、母音が強く出てしまって、聞き取りにくくなったり、高音でのディミヌエンドが人間的にむずかしかったりする。

その他にも、声部間の重なりが、アルトとテノールで相殺されてしまったり、逆転して聞こえなくなったり…いろいろな配慮が必要となる。

実際俺も合唱団で歌った経験もあるが、その時に、声楽のレッスンにも通わされていた。
ま、これは先生のコネで、学生時代の選抜合唱団のメンバーは、全員通わされたのだが。
その時に、様々な事を学べた。
この経験が、のちの合唱作曲へ生かされたのは良かった。

俺の話じゃないか。

そういう事で、合唱の指揮は人数的にも大きいものも少なくなく、誰でも声を出せる代わりに、技量の差も激しく、まとめるのも大変。

 

人数が多くなると、たとえば学生のクラスでも、大人数で遠足なんて事になると、一大事にとなる。
先生もまとめるのが大変でしょ?

そう思う人がいると思う。

それが、すなわち指揮者の仕事だから(笑)

面倒を見ろって事では無くして、無事に乗り切るって事だから。

先に進める。

 

吹奏楽管弦楽となると、合唱よりも覚えないとならない事が沢山出てくる。
楽器の数も多くなってくれば、それぞれの音域も違うし、移調楽器であれば調性も違う。
その中で誰かが1音間違えただけでも、その音がなんの音なのか、きちんと把握するのも大変。

詳しくは書かないけど、弦楽器だけでも、その奏法はたくさんあって、非常に奥が深く、理解するにも時間がかかる。

幸いにして俺は、ここでも吹奏楽管弦楽の経験をしていて、それはまた自分の管弦楽作品を作る際、大変な参考になった。

俺の話しはいいか…

そうした個々の楽器の特性から、音の融合などを加味して、音楽を作り上げていくのは、並大抵な知識では成せない。

それにもまして、楽団員をまとめる作業もある。
かつて俺は指揮者として、何度か各高校からの代表で来た選抜チームの指揮をしたが、最初から思い描いた通りの音がもらえるなんて、俺は一度たりとも経験した事はない。

しっちゃかめっちゃかからスタートで、ほんとうに、やばいなって何度も思った。

俺の指揮者の話しはまたあとで。

そういう事で、合唱もそうだが、楽団の指揮者は、そもそも知識のレベルが最初から違っている。
それは、指揮者としての責任でもある。
楽団員の方が、その楽器については良く知っている場合もあるが、全体的なバランスとか、音楽の表現を行うのには、センターに立つ以外に方法はない。

つづく