ブリブリのさらなる人生

無職からどう復活し、その先まで…

2023年度全日本吹奏楽コンクール課題曲 2

課題曲の参考演奏を聞いた。

今回も本当に残念な感じだった。

課題曲は朝日作曲賞吹奏楽部門で入選した作品から選ばれる。
俺が何回もトライしてるコンクールで、国内コンクールの中でも賞金額が大きいと思う。

それは、選ばれたら全国120万人の吹奏楽人の目に止まり、実際に演奏されるわけで、これは吹奏楽作曲家の登竜門と言われていた。

だが、かなり前から俺はこれに疑問をもってて、最近ではSNSではっきりそれを口にしてる有名作曲家もいるが、選ばれる音楽の質が悪すぎる。

きれいで、問題なく、卒なくこなせるって雰囲気の、昨日も言ったが、面倒がかかり難く、誰もが選んで無難だと思われるものが、選出されてる。

こんなんで良いのか?

昔の課題曲は、それだけでコンサートの演目としても、立派に取り上げられる内容の濃いものだった。

その趣旨は、課題曲Vの選考作曲コンクールの、全日本吹奏楽連盟作曲コンクールで、優秀な現代音楽作品としてだけでなく、後世に演奏会で取り上げられるような、いわばやっつけでない作品が求められていた…となってたが…
実際は、このコンクールにおいても、どんな審査がなされているかわからないが、とても素晴らしと言えない作品が堂々と1位で通過してる。

俺はここ20年近く、課題曲のスコアを吹奏楽連盟から送ってもらってたが、年々ひどくなる傾向にあった。
特に、2000年を過ぎてから急激に下降しはじめて、2005年からの課題曲は、記憶にも残らない悲惨な状態。

ほんとうにこれでは、全体の音楽レベルが低下して当たり前だと思う。

俺は過去の課題曲はほとんど聞いてきたし、ライブラリーとして手元にあるが、昭和の時代の課題曲と、令和の課題曲を聴き比べてみたら、少し音楽がわかる人なら、違いがはっきり理解できると思う。

過去の課題曲の歴史で、吹奏楽のためのバーレスクあたりから、プレリュードといった優れた現代音楽の課題曲が、4曲の課題曲の中に含まれるようになったが、それを、難解なものを排除する方向で、外していってしまった。
その代わりに、急に出現したのが課題曲Vとその作曲コンクールで、どんな志向にあったのかわからないが、こんなのもおそらくは、利権の方向でもあるのだろう。

今回の課題曲を聞いて、そのSNS吹奏楽連盟のありかたに対して意見してた作曲家がいたが、俺もスコアを入手する気持ちにならなくなった。

こんな曲が、俺の作曲に際しての参考にもなんにもならない。

学生も、何時間も必死で練習し、プロ顔負けの演奏でもって、金持ち学校はバックアップもすごくて、楽器もそれなりに素晴らしくなってる。

すばらしい演奏を聞きたいなら、プロの楽団の演奏を聞けばいい。

学生らしい、若い感性でもって、一生懸命やってる姿を投影するような、そういう吹奏楽が俺は聞きたい。

問題なく無難な作品でもって、作曲コンクールが終了して、今度は、演奏のコンクールでも、学生の本分を逸脱して、プロさながらの演奏を披露して…

吹奏楽の世界も、ほんとうに堕落してるとしか思えない…