最近…というわけでもないが、ラヴェルのスペイン狂詩曲を何回か聞いた。
それで、この音楽には、 読んで字のごとく、スペインの音楽的要素が加味されてるが、それが、他の作曲者の作品と似てる。
そんな事を考えながら、誰がどういう立ち位置で、音楽を作って似て来てるのか?ってのを、ちょっと年代的に調べた。
こう真似てるって書くと、とかく、旋律がそっくりとか思い浮かべる人もいると思うが、そういう部分もあるけれど、特に俺が面白いと思うのは、動機だけでなく、形式としてとか、そういう部分で真似ているのは特に面白いと思う。
以前解説した、ブラームスのピアノコンチェルト第1番の第3楽章が、ベートーベンのピアノコンチェルト第3番の第3楽章とよく似てるとか。
そういった観点から言うと、今回もまた、スペイン狂詩曲って音楽をある程度しっていて、なおかつ、取り上げる音楽も知ってないと、理解出来ないところだと思う。
なので、分かる人だけわかってくれたらそれでいいと思ってます。
ということで、能書きが長くなったが、スペイン狂詩曲は、ラヴェルのオーケストラ作品でも、初期の作品で、作曲年代は、1907年、初演が1908年となっている。
まずは、第4曲:Feria(祭り)の中のパッセージが、ファリャの三角帽子とよく似てる。
これは、聞けばすぐわかる部分で、ちょっとそっくりだよね(笑)
それから、第1曲:Prélude à la nuit(夜への前奏曲)の中の弦楽器のアルペジオ風なパッセージは、ストラビンスキーの火の鳥にもよく出てくるもの。
じゃ、三角帽子と火の鳥の初演は?
(ここでは、作曲年代よりも公に音楽を公開した年代が大事なので、初演としてみます。)
三角帽子は、パントマイム『代官と粉屋の女房』が前身で、その後大編成オーケストラにアレンジを施しことから、初演としては、1917年となる。
火の鳥は、1910年の初演。
そういうことで、やっぱラヴェルが最初で、それを真似したのは、ファリャとストラビンスキーなのかな???
って事になりました。
いずれにしても、3曲とも素晴らしい楽曲だから、きちんと鑑賞すると、味わいも深くなっていくと思います。
クラシックファンは、楽譜も購入して、オーケストラのその似てる部分も確認してみてください。
色々な発見があると思います…
…って、そんな変態的な事までやってるのは、俺くらいか(笑)